岩宿遺跡
2023-05-13


岩宿遺跡(;いわじゅくいせき)は群馬県みどり市にある旧石器時代の遺跡である。先土器文化の研究の発端となった先土器時代の代表的な遺跡である。

概要

赤城山の東南方、渡良瀬川右岸地域の小丘陵上にある。独立丘陵の鞍部を通過する村道の両側に位置し、標高は約160mである。日本文化の起源が旧石器時代にまで溯ることをはじめて立証した遺跡として知られる。

調査

1946年、岩宿遺跡の切り通しの道部分に露出していた赤土(関東ローム層)から民間考古学者相沢忠洋により石器が採取された。1949年9月11日、さきの発見をもとに相沢と明治大学の杉原荘介と芹沢長介が岩宿遺跡の発掘調査を実施したところ、関東ローム層の中から石器が出土し、日本列島にも旧石器時代が存在することが判明した。握斧2点のほか、削器、掻器、石核、握槌状石器、刃器状剥片などを発見した。また表土近く堆積の黒色土層下部に縄文早期の稲荷台式土器片などの遺物を検出した。 石材は主に頁岩が用いられている。同層から多数の自然礫やクリ材の炭化物もみられた。この暗色帯の最上部にAT火山灰がみとめられ、岩宿I文化の年代は2万年前以前に溯ると考えられる。 発掘により二つの石器文化が確認された。下層のものは、岩宿T石器文化と呼ばれ、基部を加工したナイフ形石器と刃部を磨いた局部磨製石斧を含む石器群で、3万5000年前の後期旧石器時代初頭のものである。上層の岩宿U石器文化は切出形ナイフ形石器などを含む後期旧石器時代後半(2万5000年前)の石器群である。 出土石器は明治大学博物館および岩宿博物館に展示される。

出土

指定

アクセス等

参考文献

  1. 杉原荘介(1956)「群馬県岩宿発見の石器文化」『明治大学文学部研究報告 考古学』1
[旧石器時代]

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