松東遺跡
2025-01-14


松東遺跡(まつひがしいせき)は静岡県浜松市にある弥生時代の集落遺跡である。

概要

天竜川が形成する沖積地に位置し、遠州灘海岸まで8kmの位置にある。弥生時代後期の環濠集落の跡や近畿式銅鐸の飾耳の破片がみつかった。当時は微高地に住み、低湿地に水田を作り生活していた。当時は貴重品であった銅鐸が出土することから、松東遺跡の周辺は天竜川平野における拠点地域であったと考えられる。弥生人にとり、銅鐸は貴重な祭祀の道具であった。銅鐸を埋めた土坑は集落の中心域に位置しており、集落外に埋めることが多いので、

調査

平成24年の第三次調査では集落の存在を裏付ける大量の土坑や柱の跡とみられる小さな穴を多数確認した。集落内で検出した土坑内から近畿式銅鐸が発見された。弥生時代後期(約千九百年前)の銅鐸の破片で高さ20cm、幅25cm、重量1.18kgであった。鈕に刻まれた模様の特徴から判断して、突線鈕 2 式と呼ばれる型式であった。復元すると高さは80cmと、弥生時代後期に製作された突線紐2式の銅鐸中では全国でも最大級である。 破片は紐すなわち銅鐸の吊り手の部分であった。飾り耳といわれる装飾部はすべて欠損していた。

遺構

銅鐸

この時期の銅鐸は三遠式と近畿式の2つの型がある。完形銅鐸はどちらも見つかっているが、破片銅鐸の出土例は近畿式だけである。この理由は解明されていない。

指定

アクセス等

参考文献

  1. 文化庁(2016)『発掘された日本列島 2016』共同通信
  2. 浜松市文化財課(2012)「松東遺跡発掘調査現地説明会」資料
[弥生時代]

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