歴史意識の古層
2024-10-08


歴史意識の古層(れきしいしきのこそう)は思想家の丸山真男が規定した日本人の古代から続く歴史意識の基底である。

概要

丸山真男は古代の『古事記』『日本書紀』や中世の史料を用いて歴史意識の古層を概念化した。 そして歴史意識の古層を構成する基底カテゴリー(基底動詞)を、「なる」「つぎ」「いきほい」の3つに集約した。三つの原理は相互に密接に関連しあうものである。

「なる」の意味

宣長は「なる」には三つの意味があると説いた。@「無りし物の生り出る」A「此物のかはりて彼物に変化」B「作事の成終る」の三つである。@は伊耶那岐と伊耶那美の「生む」行為によって神の出現を語る前段階としては、「なる」としか表現できかった。Aは「化」で変化・変身を表す。Bは「成」で完成を意味する。

  1. 無から有が生まれる(生)  be born
    1. 「生む」場合に「親―子」関係が生じる。
  2. あるものが別のものになる(変) be transformed
  3. ものごとが成り終わる(完成) be completed

「なる」の使用例

「生」の事例

「変」の事例

「完成」の事例

つぎの意味

国生みの最初から伊弉冉の「神避」に至るまで、「次」は47回出現する。世界を時間的連続性で語ることは、無窮性、血統的正当性を強調するものといえる。

「いきほひ」の意味

「いきほひ」は自然の成長・増殖・活動を魂の活動としてとらえる、古代日本人のアニミズムの観念が盛り込まれていると解釈されている。

現代との関係


続きを読む

[古代史関連用語]

コメント(全0件)
コメントをする


記事を書く
powered by ASAHIネット