小立古墳
2024-08-03


小立古墳(こたてこふん/こだちこふん)は奈良県桜井市にある古墳時代の帆立貝式前方後円墳である。

概要

1999年(平成11年)の圃場整備に伴う事前整備により発見された。酒井温子・村上薫史他(2005)により加工木の樹種はコウヤマキと同定された。発掘時に加工木の周囲の土は青灰色であったから酸素不足のため残存したと推測される。巨大な柱状木製品はヒノキであった。丘陵上に築かれた古墳ではなく小規模な屋根に挟まれた谷部に位置する。葺石が良好に残存し墳丘や周濠から、おびただしい数の埴輪や木製品が出土した。 古墳周濠の表面から下3.5mで木製車輪が見つかった。同時に見つかった土器から、飛鳥時代後半に廃棄されたと見られている。 車のタイヤに相当する輪木は厚さ3.7cm、幅9cmである。輻はホイールに相当し、日本最古の木製車輪である。従来は奈良時代の木製車輪が最古であった。輪木に開けた穴に輻の「ほぞ」をはめて、内周の輪木で補強する。車輪はアカガシ材であり一部は摩耗していた。貴族など一部の特権階級が使用したもので、用途としては牛車または荷車が想定される。古墳時代の古墳なので、木製車輪は古墳築造後に廃棄されたのであろう。盾形木製品には直弧文が描かれていた。

調査

発掘調査は2000年に桜井市教育委員会により行われた。後円部の1段目テラスの円筒埴輪は原位置で出土し、5本の木製埴輪の基部は立ったまま発見された。埴輪と木製埴輪の使い方がわかる古墳であった。位置は山田道の西側と推定される。埋葬施設は削平され現存しない。概報では本来3段築成とされるが(桜井市教育委員会(2002))、沼澤が示すように第3段の想定は難しいと思われ(沼澤2003:97)る。茅原大墓古墳(築造4世紀末〜5世紀初)とほぼ同じ時期の古墳である。

規模

外表施設

主体部

遺物

築造時期

被葬者

指定

アクセス等 

参考文献

  1. 酒井温子・村上薫史他(2005)「出土木製品に残る 劣化痕跡の解析(U)」考古学と自然科学、日本文化財科学会誌 (51),pp.65-75
  2. 柴原聡一郎(2022)「遺構寸法の計測手法と古墳築造企画研究への応用」東京大学考古学研究室研究紀要35、pp.125-133
  3. 文化庁(2004)「発掘された日本列島2000-2004」朝日新聞社
  4. 桜井市文化財協会(2002)「磐余遺跡群発掘調査概報1 小立古墳・八重ヶ谷古墳群の調査」桜井市内埋蔵文化財 2001年度発掘調査報告書4
  5. 沼澤豊(2003)「帆立貝式古墳築造企画論(5)前方後円墳との境界(1)」季刊考古学 (84),pp.97-104
  6. 沼澤豊(2006)『前方後円墳と帆立貝古墳』雄山閣
  7. 櫻井久之(2007)「直弧文の「基本配列」に関する予察 奈良県小立古墳の盾形木製品の文様から」大阪歴史博物館研究紀要 6,pp.97-106
[古墳時代]

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