奥ノ仁田遺跡(おくのにたいせき)は鹿児島県西之表市安城に所在する縄文時代の遺跡である。
1993年、農道建設工事により確認調査が行われた。アカホ火山灰層の下から縄文時代早期の遺物、その下の層から縄文時代草創期の遺構や隆帯文土器などの遺物が発見された。草創期の遺構としては,集石遺構19基,配石遺構2基,土坑1基が発見された。集石の石材は地元産の砂岩であり,円礫は少ない。 遺跡は西之表市の東南部に位置し、中種子町との境に近い太平洋を望む標高133mの台地上に立地する。 南九州の縄文時代の隆線文土器は「髑ム文土器」とされる。「髑ム文土器」は幅の広い粘土紐を貼り付けて、髑ムとする。髑ムに貝殻で文様を付けた土器が約半数に及ぶ。奥ノ仁田遺跡の発見により、縄文時代の最古期から種子島と県本土との交流があった。
縄文時代草創期の石鏃は全国で最古である。石器としては,石鏃,スクレイパー,石斧,磨石,石皿などの多様な器種が出土した。
セコメントをする