奈良国立博物館(ならこくりつはくぶつかん、Nara National Museum)は奈良県奈良市にある国立博物館である。「仏教美術の殿堂」と称す。
1989年(明治22年)、明治政府は帝国博物館(東京)、帝国京都博物館とともに3番目の国立博物館として「帝国奈良博物館」の設置を決定した。1894年に片山東熊の設計による建物(旧本館)が竣工した。片山東熊は工部大学校(現東京大学工学部)の建築学科の第1期生で、辰野金吾と工部大学校で同期であった。東京国立博物館表慶館、旧東宮御所などを設計している。 1895年(明治28年)4月、帝国奈良博物館が開館した。開館時は歴史部 30点、美術部 87点、美術工芸部 79点、御物 12点と少ない収蔵物であった。 1900年(明治33年)、宮内省は官制改正に伴い 帝国奈良博物館を奈良帝室博物館に改名した。1947年(昭和22年)5月、奈良帝室博物館は文部省の管轄となり、国立博物館奈良分館となった。1952年(昭和27年)7月に東京国立博物館の分館から独立して 奈良国立博物館となる。1968年(昭和43年)文化庁が発足すると、文化庁の附属機関となった。2007年に独立行政法人国立文化財機構 奈良国立博物館となる
1972年(昭和47年)3月に西新館、1997年に東新館が開館する。それまでの本館は「なら仏像館」になった。「なら仏像館」は全館を「彫刻館」とし、日本の仏教彫刻の名品を尊像の種類や製作技法など主題別に分類して展示する。
1946年(昭和21年)10月「第1回正倉院展」が奈良国立博物館で開催され、22日間に約15万人という 多数の入館者を迎えた。その後も、現在に至るまで正倉院展は奈良国立博物館の恒例の展示会となっている。
陳列館は、4施設がある。
西新館は、吉村順三の設計で、鉄筋コンクリート造であるが、外観は木造の校倉造のイメージを表している。1階の前部はピロティで2階を浮かせて、足下を池で囲むのは、防犯と鹿よけのためと言われる。2階の展示空間はを柱を無くし、展示に支障が無いようにする。
1977(平成9年)に東新館が開館する。それまでの本館は「なら仏像館」となった。 屋根材は錆びないチタンの板とし、外壁はライムストーン・石貼りとしている。中央エントランスホールで西新館と連結する。二階の陳列室には緩い勾配のスロープで行くことができる。
当時宮内省内匠寮技師であった片山東熊の設計による。奈良で最初の本格的西洋建築で、フレンチルネサンス高揚期の様式とした。
昭和12年(1937)に収蔵庫として建設された。
元は興福寺大乗院にあったものが、明治3年に売却されようとしたとき、地元有志が止め、明治23年に帝国奈良博物館に献納された(文献1)。
なら仏像館と東新館・西新館を結ぶ全長150mの連絡地下通路がある。地下回廊にミュージアムショップやレストラン「葉風泰夢」がある。ミュージアムショップには、博物館のオリジナルグッズや歴史・美術関連の書籍、正倉院展の図録が販売されている。
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