本高14号墳(もとだかじゅうよんごうふん)は鳥取県鳥取市にある前方後円墳である。
本高14号墳は鳥取県鳥取市の市内から南西に約3kmの旧領上に築かれた全長63.7mの柄鏡形の前方後円墳である。本高古墳群のひとつである。 山陰地域は方墳や前方後方墳が主として造られており、前方後円墳が築かれる地域より、下位に位置づけられていたとされる。古墳時代前葉から方墳で統一された。後半になると前方後方墳が築かれるようになった。古墳時代中葉に本高14号墳が因幡地域に築造された。山を削りだして作った墳丘には後円部に2基(埋葬施設1、2)前方部に2基(埋葬施設3、4)、墳丘の北側のくびれ部、前方部の端で各1基、計6基の埋葬施設がみつかった。後円部は二段築成であり、二段目の墳頂に壇状部が築かれている。
それまで最大規模の円墳と考えられていたが、2009年の発掘調査により前方後円墳と判明した。 前方部と後方部の比率は1:1であり、前方部は細長く、先端が少し開く柄鏡形である。 前期でも古い時代の前方後円墳の特徴である。 後円部の埋葬施設の発掘調査は行っていないが、前方部を発掘している。前方部の埋葬施設3から副葬品として棺内から小型〓製内行花文鏡、緑色凝灰岩製の管玉が出土した。管玉は掘方埋土を篩にかけて検出したものを含めて合計13点出土した。鏡の南側の底面付近から水晶製の勾玉が1点出土した。埋葬施設4の棺は長側板で小口板を挟みこむ組合式木棺と推定された。推定された棺の規模は長軸約2.1m,短軸0.6mである。棺内からガラス小玉、〓、鉄製品、鼓形器台が出土した。埋葬施設6から鼓形器台、ガラス小玉、〓、鉄製品が出土した。埋葬施設5から小型丸底壺が出土した。これは布留2式(小若江北式)に相当し、古墳時代前期後半に位置づけられる。 小型丸底壺の形式と墳丘の形状により、この前方後円墳が古墳時代前期中葉に築かれたことが分かり、因幡地方で最古の前方後円墳と判明した。
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