讃良郡条里遺跡(さらぐんじょうりいせき)は、大阪府四条畷市・寝屋川市にかける広範囲に広がる遺跡で、縄文時代から江戸時代まで続く集落跡遺跡である。
四條畷市雁屋遺跡は、大阪府下でも早い時期に稲作が始まったとされた遺跡である。1989年年に讃良郡条里遺跡で出土した縄文土器の籾圧痕や、近年出土した近畿地方最古の弥生土器出土によって、讃良郡条里遺跡で早い段階で稲作が始まったことが判明した。 発掘から、この地域では奈良時代の早い段階から条里制の土地区画制度が行われている事が判明した。条里制により土地を東西南北に区画している。古代の河内湖の沿岸地域であり、鏡の出土は沿岸で祭祀が行われていたと推察される。
平成23年度イオンモール四条畷の建設に伴い、四條畷市雁屋遺跡の発掘調査を行った。
古墳中期から後期では集落を区画する溝や通路側溝と考えられる溝を検出した。調査地の全域で、弥生時代中期後葉(約2000年前)の田がみつかった。田は傾斜する地形を巧みに利用している。弥生時代中期後葉の田より高い場所では、弥生時代中期中葉(約2100 年前)の集落跡がみつかった。集落は幅0.2 mから1.0mの溝で囲まれており、何回も溝を掘り直しながら、生活を営んでいた。
従来、弥生時代の始まりは2300年前とされていたが、讃良郡条里遺跡のAMS法の結果は2500年以上前となり、弥生時代の年代を考えるうえでも重要な遺跡となった。
飛鳥時代後半から奈良時代前半に製作された銅鏡が見つかった。小型海獣葡萄鏡で直径3.9cmである。鏡面を研磨せず、鋳造のままのため、実用にはならない。祭祀用と考えられる。同様の内区だけの鏡は全国で12例ある。うち8点は奈良県である。類例は藤原京、平城京付近での出土であり、本鏡は当時の中央からの流通または配布と考えられる。
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