山王塚古墳(さんのうづかこふん)は、埼玉県川越市に位置する7世紀の上円下方墳である。
川越市大東地区、入間川右岸の台地上にある上円下方墳である。上円下方墳は古墳時代終末期の7世紀後半から8世紀初めに築造された首長墓である。 上円下方墳は珍しく、発掘調査により墳形が確認されたものは全国でも6例だけである。 下方部一辺63メートル、上円部径47メートル、高さ5メートルであり、上円下方墳の中でも最大の規模となる。南大塚古墳群のひとつである。上円下方墳は関東を中心に分布する。
川越市は平成24年度から山王塚古墳の発掘調査を実施している。平成24年度の墳形確認調査、平成27年度の周溝確認調査に続く第3次調査では周溝補足調査、埋葬施設確認調査のため、山王塚古墳に5本のトレンチ(試掘坑)を入れた。下方部南側に設けた9・10・13号トレンチでは、下方部を巡る上幅約15メートル、深さ約50センチメートルの周溝が検出された。周溝は南側で途切れ、ロームを掘り残したブリッジ(陸橋)部となる。また、周溝から下方部下にかけて墳丘構築土であるロームの採掘坑が確認された。 第一次調査では幅9mの周溝を発見し、地表面から2.3mの高さで周溝底部を検出した。第二次調査の報告では、東側の周溝が狭いと指摘されている。第五次調査では古墳の北東隅の範囲が確認された。平成26年、地中レーダー探査により、山王社参道付近の地中の主体部は複室構造の横穴式石室と推定された。
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