星ヶ塔黒曜石原産地遺跡
2023-06-24


星ヶ塔黒曜石原産地遺跡(ほしがとうこくようせきげんさんちいせきき)は新潟県下諏訪町にある縄文時代の黒曜石採掘遺跡である。「星ヶ塔遺跡」ともいう。

概要

霧ケ峰山塊北西部に位置する星ヶ塔山の東斜面、標高1500mの林内に広がる。3.5万平方メートルの範囲に縄文前期から晩期までの黒曜石採掘跡が193か所分布していることが明らかになった。

調査

1920年(大正9年)の鳥居龍蔵の調査により,黒曜石原産地遺跡であることが明らかにされ,1959年から1960年の藤森栄一による調査により縄文時代の採掘跡であることが明らかになった。1997年から2013年にかけて、下諏訪町教育委員会による発掘調査等が実施された。 発掘調査により縄文時代前期(約5700年前)と晩期(約3000年前)の黒曜石採掘抗が発見され、長期間にわたる黒曜石採掘遺跡であることが分かった。縄文時代前期には鹿角等と想定されるピック状の道具で,流紋岩を掘り崩して黒曜石原石を採掘し,原石の状態で持ち出されていた。縄文時代晩期には地下の黒曜石岩脈を敲石で採掘し、剥片剥離を行って、石核や剥片の状態で持ち出した。各時期の採掘方法と石材の搬出状態が明らかにされ、原産地遺跡と消費遺跡が結び付く成果が得られた。星ヶ塔黒曜石原産地遺跡に産出する黒曜石は,自然科学的な手法による産地推定分析により,関東・中部を中心として東北から東海地方まで広域に供給された。

遺構

遺物

指定

アクセス等

参考文献

  1. 文化庁(2016)『発掘された日本列島 2016』共同通信
[縄文時代]

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