午戻遺跡(うまもどいせき)は、佐賀県伊万里市にある弥生時代中期中頃から弥生時代 終末期にかけての遺跡である。
主な遺構は弥生時代中期中頃(紀元前1世紀頃)から弥生時代終末期(3世紀頃)にかけての墓群である。石棺墓から青銅鏡1面、鉄小刀1点、鉄鎌1点、ガラス小玉1点が検出された。鏡は後漢時代頃の中国製で、ほぼ完形であった。直径19.74cm、平縁(ひらぶち)幅1.08cm、厚さ0.44cmで、内側に向かい櫛歯文帯、雲雷文帯、櫛歯文帯、8個の連弧文帯、平頂素圏、偏平な四葉座、円鈕がある。四葉座の間に「長宜子孫」の銘文があるため長宜子孫銘連弧文鏡とされる。連弧文鏡は代表的な後漢鏡であることから、本鏡は1世紀後半から2世紀前半に位置付けされる舶載青銅鏡である。
弥生時代の中国製の完鏡は、有力者の権威の象徴であるから3世紀ごろの伊万里地方に王がいた可能性の意見もあるが、鏡1面だけでは伊都国などに比べてもかなり貧弱ともいえる。また 伊万里湾岸の弥生期の遺跡にはほかに土井頭遺跡(同市黒川町)、小物成遺跡(同市大坪町)、小島古墳(山代町)、銭亀古墳・夏崎古墳(同市東山代町)等がある。
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