北島遺跡(きたじまいせき)は埼玉県熊谷市にある扇状地の末端部分にある弥生時代中期から近世までの複合遺跡である。
発掘調査により弥生時代の集落として、竪穴建物が70棟が検出された。そのうち5棟から土器を埋め墓として使用した土器棺墓、倉庫跡、水路、堰、水田の跡が発見された。土器棺墓には壺と甕の両方が使われていた。石器には弥生時代から使われる大陸系の磨製石器が見られる。 大部分の石器は、縄文時代から使われる打製石斧であった。住居跡の形状は隅丸方形と小判形のものとがある。規模は4mから10m前後である。現時点では埼玉県で最古の水田跡であり、関東地方全体でも最古級である。村と水路、田がセットで見つかる類例は少ないので貴重である。
水田の灌漑施設である。集落の北側の河川から250m離れた田に川から水を引くための堰が検出された。堰は木材を合掌造りで骨組みを構成し、葦を敷き粘土で土盛りを行う。水路は最大幅7m、深さ2mでほぼ直線で水田まで引いていた。水田には地形に沿って1辺5mから8mの方形の畦が作られている。
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