旧石器から縄文へ(きゅうせっきからじょうもんへ)は旧石器から縄文への移行期に何が変わり、なぜ変わったかという問題である。
旧石器から縄文へ変わった時期は現在から1万6000年前から1万1500年前とされている。
旧石器時代と縄文時代の最も大きな違いは、「土器」の有無である。旧石器では打製石器と骨角器を使用していたが、土器はまだ発明されていない。日本の縄文時代では、磨製石器が使われた。石器時代には、ナウマンゾウなど大型動物が狩猟の対象であった。 縄文時代ににはシカ、イノシシ、などの中小動物が狩りの対象となる。中小動物は足が速いので、落とし穴や弓矢を使うようになった。
旧石器時代の終わり頃から縄文時代の初めに氷河期から温暖な気候へと変わった時代であった。更新世(氷期)から完新世(温暖期)に変わった時代である。晩氷期に相当する約16000年前から11500万年前は周期的な激しい寒暖差が起こる「ダンスガード・オシュガーサイクル」が起きていた。亜氷期から亜間氷期への変化の温度幅は10度以上あり、その期間は数年から数十年と極めて短い。この変化は人間活動に大きな影響を与えたと言われる。 しかし列島最古の土器 (青森県大平山元I遺跡、16,000年前)はこの晩氷期の開始よりも古く、縄文時代草創期 (16,000〜11,700年前) は氷期末に開始されている。したがって気候変動が土器の発明をもたらしたとはいえない。 旧石器から縄文への気候環境は4つの時期に分かれる。 (1)LGM末期 1万8000年前〜1万5000年前 最終氷期最盛期といわれる時期で、旧石器時代の終末期である。大量の氷がヨーロッパや北米に氷河や氷床となり、海面は世界的に約120メートル低下した。日本では瀬戸内海が海面の上昇により陸化していた。約16000万年前に突如として土器が現れ、それ以降を縄文時代草創期とする。 (2)オールドドリアス期 亜間氷期(コールド)期間で、寒冷乾燥した氷期であった。 (3)ベーリング・アレレード期 氷期以降は地球の気温が上昇に転じ、各地の氷床からは氷が融けて海洋に流出した。約1万4700年前に起こった事象であり、最終氷期末期を区切る。 (4)ヤンガードレアス期 暦年代で1万2800年前から1万1600年前とされる。最終氷期の最終段階で、縄文時代草創期とされる。ヤンガードレアス期が終了すると完新世(温暖期)に移行する。
縄文土器の特徴は編み目の文様、黒褐色の色、分厚くもろい土器である。丈夫で頑丈な土器はまだ作れなかった。しかし縄文土器の発明により人々の寿命が伸びた。その理由は動物を捕まえても、土器がなければ、その肉を保存するために加工ができなかったからである。縄文土器の発明により、肉を土器で煮ることが出来るようになった。煮炊き料理が可能になったことにより、食物の保存が可能となった。結果的に食生活が向上し、寿命が長くなった。 その証拠はヨーク大学(英国)の考古学者Oliver E Craigらは、約1万5000〜1万2000年前の更新世後期のものとされる縄文土器に脂質が付着していたことを発見した。
縄文時代草創期では食べるために動物や植物をさがして,場所をかえながら移り住んでいった。つまり旧石器時代とあまり大きくは違っていない。土器は方形平底および円形丸底深鉢の2形式(器形)がある。
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