スクレイパー(すくれいぱ、Scraper)は旧石器時代以降に使われた石器である。
scrape(スクレイプ)は「削り取る」「こすり落とす」「はがす」という意味である。 掻器あるいは削器とも呼ばれる、刃状、へら状の石器である。旧石器時代中期以降にみられる。スクレイパーは後期旧石器時代から縄文時代まで使われた。 エンドスクレイパー(掻器型石器、side scraper)、サイドスクレイパー(削器型石器、end scraper)と呼ばれることがある。弥生時代にも一部が残る。たとえば唐古・鍵遺跡出土のスクレイパーは弥生時代の削器として石・骨を加工する道具として紹介されている。
動物の骨や木を削るため、あるいは動物の皮をなめすためなどに使っていたとされる。 サイドスクレイパーは動物解体用の切断・削り具で尖頭状削器、抉入状削器,鋸歯状削器 などがある。エンドスクレイパーは薄片石器で、薄片の端に刃をつけたもので、動物の皮をなめすため、皮の裏側に付いた脂肪を掻き取るなどの皮なめし道具として使われた。
「拇指状掻器(サム・スクレイパー)」は黒曜石製の石器で、加工した部分を刃にしている。
旧石器時代には金属器はないので、獲物の動物の皮を剥ぐ、肉を取り出すにはスクレイパーが必要であったと考える。ナイフ型石器はサイド・スクレイパーと呼ばれており、スクレイパーの1種である。歴史民俗博物館はスクレイパーを加工具に分類している。
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