下里見天神前遺跡(しもさとみてんじんまえいせき)は群馬県高崎市に所在する縄文時代から古墳時代、奈良時代、平安時代、中世までの複合遺跡である。
下里見天神前遺跡は群馬県中南部の群馬県高崎市下里見町内に所在し、烏川の河岸段丘上で、南に里見川が流れる。鼻曲山を源流とする烏川の右岸にあり、河岸段丘は上位/中位/下位に分かれるが、その下位段丘に位置する。
令和元年度と2年度の2回に分けて発掘調査は実施された。縄文時代中期中葉と古墳時代から平安時代の竪穴建物や1108年の浅間山噴火で埋もれた水田が出土した。2022年8月には、台地上の調査を中心に行い、竪穴建物、古墳、土坑、ピットを検出した。竪穴建物は、炉を持つものとカマドを持つものがあり、出土した土器などから古墳時代前期、古墳時代後期、平安時代の竪穴建物と判明した。竪穴建物の多くは北側か東側にカマドをもち、石を袖の構築材に使用していた。
調査以前は存在が知られていなかった古墳時代後期の円墳3基が検出された。 古墳は1号墳が径12m、2号墳が4.9m、3号墳が15m(推定)であった、南東方向に開口する横穴式石室を持つ古墳時代後期の古墳と見られる。石室は約2mあり、大形の川原石が積まれていた。 3号墳の墳丘に立てられた円筒埴輪は30cmの間隔で基部が埋められていた。周囲には埴輪の破片が散乱していた。 周溝内からは23点の埴輪と2点の須恵器が発見された。埴輪は古墳の墳丘にあるものと高さが異なり、墳丘上にあったとは考えにくい。また付近に埴輪窯があった可能性は少ない。 埴輪は非常によく彩色が残る。
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