指扇向遺跡
2024-09-12


指扇向遺跡(さしおうぎむかいいせき))はさいたま市西区指扇に所在する縄文時代の遺跡である。

概要

JR川越線西大宮駅の南に約1qの場所で、大宮台地の西側の指扇支台の標高15.7mに所在する。近くには指扇下戸遺跡、大木戸遺跡、C-75号遺跡がある。縄文時代前期の竪穴住居跡1軒、縄文時代のピット72基のほか、縄文時代の土器や石器、装飾品とみられる玉類を検出した。

調査

今回の調査で確認できた前期の住居跡は、範囲にして全体の4分の1程度で、長軸方向の長さは7mから8mと考えられている。縄文時代の竪穴住居跡は約30cmの掘り込みがある。 30cmの掘り込みのピットが多数あり、何度も建て直されている事が分かる。第1次調査では縄文時代の竪穴住居跡が9軒検出された。ファイアーピットから土器が多数検出された。 第2次調査では黒曜石、縄文前期後葉の諸磯a式、b式の土器が検出された。

遺構

遺物

指定

考察

諸磯遺跡出土土器は榊原政職により「諸磯式」(1921年)として扱われるようになったとされる。深鉢形土器、浅鉢形、まれに壺形や皿形などが見られる。関東地方では、神奈川・東京・埼玉・群馬・栃木の一部と、さらに中部地方の大半で広がる。a式は沈線による米字文や、木葉助骨文が特徴で、諸磯貝塚が標識遺跡である実年代は約6000年前(紀元前4000年)とされる。埼玉県で諸磯a式、b式土器が出土するのは不思議ではない。黒曜石はどこの産地か分析すれば分かるのであるが、調べていないとのこと。埼玉付近では産出しないので、関東では箱根、神津島、伊豆・天城などが考えられる。

アクセス等

参考文献

  1. さいたま市教育委員会(2024)『さいたま市遺跡発掘調査成果発表会』資料
[縄文時代]

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