大安場一号墳
2024-09-22


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大安場一号墳(おおやすばいちごうふん)は福島県郡山市田村町に所在する古墳時代の前方後方墳である。

概要

1991年に発見され、1995年に郡山市教育委員会が測量調査を実施し、古墳時代前期の大型古墳と確認された。1996年に第1次発掘調査を実施し、腕輪形石製品が出土した。1997年の第2次発掘調査では主体部(遺体を埋葬した施設)の全体を発掘調査し、鉄製品などが出土した。 前方部を北に向けた全長83mの前方後方墳である。自然丘を削り出して、前方2段、後方3段の築成を築いた。後方部の墳長はかなりの削平を受けている。前方後方墳としては東北最大である。中世に1号墳は大きく改変され、城館として利用されていた。大安場1号墳の築造は、1日100人を動員し、200日かけて造られたと見積もられている。古墳の頂上には壺が約50個並べられていた。 現在は大安場史跡公園として整備されている。

調査

主体部は長さ10m、幅2mの粘土の床を作り、その上に長さ9.2mの割竹型木棺を安置する。 主体部に北に朱を掛け、南寄りからは緑色凝灰岩製腕輪型石製品が出土した。棺内の南半分から太刀1,槍1,鎌1、板状鉄斧1が出土した。大刀は鞘と把の木部がともに良好に遺存し、2センチメートルほどの幅の布を巻いている。「石釧」とよばれる腕輪形石製品が出土する。 しかし、形状は「車輪石」の特徴をもつ。二重口縁壺が出土する。

規模

遺構

遺物

築造時期

被葬者

被葬者は女性であるとの説がある。理由は鉄鏃が出土していないこと、腕輪形石製(石釧)が出土したことである。

展示

指定

考察

現況は前方部主軸と後方部主軸が一直線になっていない。おそらく自然の地山を利用して築造したため、地形の制約を受けたためと推測される。

アクセス等 

参考文献

  1. 三浦俊明2012「古墳時代前期における石製品の流通」石川県博物館紀要第24号 石川県立博物館発行
[古墳時代]

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