別所遺跡(さいたま市)(べっしょいせき)は埼玉県さいたま市南区にある縄文時代から中世に渡る複合遺跡である。
JR武蔵浦和駅の北300mにある。大宮台地の先端、荒川に面する標高12mの台地縁辺に位置する。周辺に別所二丁目遺跡、別所子野上遺跡、別所東野田遺跡がある。
1980年に弥生後期の住居2軒、古墳前期の住居14軒、古墳中期の住居2軒を検出した。うち古墳前期の住居1軒は、焼失住居であった。古墳時代前期の住居から籠目のある壺が出土した。
2019年7月8日から9月13日までの第12次調査では縄文時代中期の住居跡8基、縄文時代の34基、溝2条、近世土坑1基を検出した。また勝坂式土器、加曽利E式土器(縄文時代中期)、近世の陶磁器、石製品が出土した。第97号住居跡は深さ50cm、長辺4.1m、短辺2.5mの小型住居である。炉は南よりである。炉体土器は勝坂式土器である。
2019年9月10日から2020年3月19日の第13次調査では縄文時代中期の住居跡3基、土坑8基、弥生時代後期の住居跡2基、古墳時代の住居跡1基、中世の土壙14基、近世の溝5条、土壙26基を検出した。縄文時代の阿玉台式土器が出土した。第103号住居は直径4.5mの円形で深さは46cmである。壁際に周溝がめぐる。住居形状と出土遺物から弥生時代後期の住居跡と判断される。第101号住居は長辺6.8m、短辺6.26mの隅丸方形である。深さは33vmとやや浅い。炉は住居中央のやや北西寄り。台付甕形土器の出土から古墳時代前期の住居跡と想定される。
さいたま市南区の別所遺跡と同名のさいたま市大宮区の別所遺跡(さいたま市大宮区高鼻町2-305-4)との関係が不明である。同じ市内に同名の遺跡があるのは不思議である。 昭和53年度の発掘調査の際に別所遺跡第4B号竪穴住居跡から一括出土。甕形土器4点(内残欠1点)、高坏形土器9点(内残欠3点)、脚付甕形土器1点、坩形土器3点、碗形土器3点、有段器台形土器1点、坏形土器1点、甑形土器1点。古墳時代和泉式土器の器種が揃っている。
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