上代町遺跡群(かみだいまちいせきぐん)は熊本県熊本市にある弥生時代から古墳時代の複合遺跡である。
熊本県熊本市を流れる熊本県管轄の二級河川・坪井川の右岸にある。 上代町遺跡群は熊本市西区上代や城山下代、城山大塘にまたがる遺跡である。
弥生時代中期前半の大溝から大量の木製品が出土した。農耕具、建築部材などの木器が製作されたと想定されている。鍬、臼、斧の柄などの農耕具などであるが、いずれも破損品か未成品であった。
大溝の最下層から「赤漆塗木製剣柄」と「盤部」が大溝の最下層で出土した。柄は銅剣に装着されたものと推定されている。。両者は前面に赤い漆が塗られている。柄の縁には絹糸が巻かれていた。全体の復元が可能なものである。銅剣本体、鞘、把頭飾(柄の飾り)は出土例があるが、国内では他に「剣柄」の発見例はない。柄は銅剣に装着されていた可能性が高い。
5世紀頃(古墳時代中期の)のものとみられる馬の全身の骨が2016年9月に出土した。古墳時代の遺構から馬の全身の骨が出土したのは大阪府(蔀屋北遺跡)、長野県(宮垣外遺跡)に次いで3例目であり、九州では始めてである。埋葬されていた穴は横約200センチ、縦約110センチ、深さ約20センチであった。125センチの体高をもつ12歳前後のオスと見られる。人の手により埋葬されており、かつ丁寧に埋葬されていたから「特別な馬」であったとみられる。他に複数の馬の骨や、馬具、飼育に必要な塩を作る製塩土器も検出されている。
弥生時代の銅剣は限られた権力者だけがもつ「威信財」とされている。上代町遺跡群の被葬者は相当の権力を持っていたのではないか。
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