加曽利E式土器(かそりいーしきどき)は関東地方の縄文中期後半の土器である。
深鉢型を主体とし、丸みのある口縁、くびれた頸部、そして膨らみを持った胴部で構成される。器形のバラエティは少なく器種は深鉢と浅鉢に限定される。千葉市の加曽利貝塚のE地点で出土した土器を標識とする。 装飾表現は過度では無く、隆帯と沈線によって比較的簡素な文様を呈する。 加曾利 E1 式は丸みのある口縁部とくびれた頸部を持ち、筒状の胴部から口縁部に向けて広がる深鉢型である。対応して文様帯は口縁部と胴部に分かれ、口縁は渦巻き、胴部は撚紐を縦方向に転がす縄文で装飾される。加曾利 E 2 式は隆帯と撚紐により比較的簡素な文様となる。加曽利E2式は口縁部、頸部、胴部に3帯の文様帯を持ち、特に頸部の無文帯の形成が特徴である。加曾利 E 3 式 は胴部の沈線間の縄文のすり消しが発達し、さらに口縁部文様帯の衰退と胴部文様帯との一体化が進む。底部は小さくなり、不安定化が進む。 縄文中期の派手な髑ム文は形式変化の過程でなくなる。古いものは土器の口縁部から底部まで隆帯文がつくが、やがて口縁部だけに集約され、胴部の文様はなくなる。
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