朝日遺跡
2025-01-27


朝日遺跡(あさひいせき)は愛知県清須市から名古屋市西区にかけて所在する弥生時代の遺跡である。

概要

東西1400m、南北800mで、遺跡の面積は100万平方メートルに達する東海地方で際だった弥生時代の環濠集落である。東西に伸びる微高地に立地する。微高地は東西の谷に分断される。逆茂木・乱杭、環濠などからなる強固な防御施設が発見され、戦乱の「弥生時代」を示す遺跡として有名になっている。居住域の広がり、墓域、玉作り工房跡、埋納された銅鐸、鳥形土製品、ブタの飼育など特徴的な遺物が出土している。最盛期の2200年前には、約1000人が暮らしていたと推定されている。逆茂木は外敵の侵入を防ぐため、環濠の外側に設けられた防御装置である。環濠の溝中から枝が付いたままの木が幾重にも重なって出土している。。円窓付土器は土器の横に丸い穴を開けたモノで、用途不明の土器である。乱杭は地上に不規則に打ち込んだ杭である。ただ、 逆茂木や乱杭は洪水から村を守るための施設との解釈もある。洪水になると流木が押し寄せ、家を破壊するので、それを押しとどめる役割とも解釈できる。

調査

発掘調査では膨大な量の遺物が出土し、うち 2,028 点は弥生時代の多様な生業、生産・流通の様相が分かる重要な資料として評価され、国の重要文化財に指定されている。

遺構

弥生時代

遺物

弥生時代のブタ

弥生時代においては、遺跡から出土する動物遺体はシカよりイノシシが圧倒的に多いと報告されている。朝日遺跡ではシカは成獣が71%であるが、イノシシは若・幼獣が78%を占める。西本はイノシシまたはブタが飼育されており、農耕儀礼に伴い殺された可能性を指摘する。西本は第一頸椎の形態がイノシシとは異なり、一部の骨はイノシシの特徴があるが、大部分には第一頸椎が高く、吻部が細いなどブタの特徴かあると指摘する。イノシシは1割以下とする(西本豊弘(1992))。

指定

展示

アクセス等

参考文献

  1. 西本豊弘(1992)「朝日遺跡の弥生時代のブタ」愛知県埋蔵文化財センタ−『朝日遺跡 自然科学編』
  2. 愛知県埋蔵文化財センタ−(1992)「朝日いせき」
[弥生時代]

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