荒屋遺跡(新潟)(あらやいせき)は新潟県長岡市(旧・北魚沼郡川口町)にある旧石器時代の遺跡である。
信濃川と魚野川が合流する河岸段丘上にある。石器が出土した地点の標高は約86.5mである。1957年秋、長岡市在住の郷土史家の星野芳郎と井口通泰は1958年10月2日に採集遺物の石器を持参して、明治大学考古学研究室の芹沢長介に意見を求めた。芹沢は明らかに細石刃文化であると判断した。特徴のある細石器であり、細石刃を伴って出土する彫刻刀は芹沢長介氏が「荒屋型彫刻刀」と名付けた。荒屋型彫刻刀形石器の標識遺跡である。日本列島の旧石器時代遺跡では特異な遺跡とされる。
1958年4月29日から5月5日に発掘調査を実施した(第1次発掘調査;写真2)。その結果、2千点以上の石器が出土し、貯蔵穴様の土坑が検出された。 1988年に第2次発掘調査、1999年に第3次発掘調査を行い、9万点を超える石器が出土し、多数の遺構を確認した。多数の石器が出土し、総数は10万点以上と推定されている。使用痕分析の結果、荒屋遺跡からの出土石器の中で最も主体となる加工具は彫刻刀である。
荒屋遺跡で得られた炭素14年代は約14100years BPであるとされる。実年代スケール(暦 年代スケール)では、現在から16000年から17000年前(Kitagawa and van der Plicht,in press)のものとされる。
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