池内遺跡
2025-04-19


池内遺跡(いけないいせき)は秋田県大館市にある縄文時代の遺跡である。

概要

大館市の中心部からやや南で、JR花輪線東大館駅の南東1.6kmにあり、西に流れる米代川の右岸に形成された河岸段丘上とその斜面に立地する。池内遺跡が立地する台地は、最大150m、最小40m、平均120m の間隔をもち、北東から南西に200m の長さで張り出している。 池内遺跡は縄文時代前期の集落跡で、居住域、貯蔵域、墓域、捨て場が確認されている。

調査

池内遺跡の発掘調査は、平成4年度から平成7年度まで4カ年にわたり実施されている。平成4年度では平成4年5月11 日から開始し、土坑60 、柱穴様ピット多数を検出した。フラスコ状土坑から円筒下層式土器のほか、大木式土器を検出した。遺構では円形土坑プラン23 と柱穴プラン多数を検出した。北東側の杉林地区でも方形の竪穴住居跡プラン4と円形土坑プラン1を検出した。 遺構プランは、竪穴住居跡プラン32(うち方形プラン9 )、円形土坑プラン72 、性格不明プラン2の計106 遺構と柱穴様ピット多数を検出した。

平成5年度では平成5年4月19 日から発掘調査を再開した。竪穴住居跡プラン2 (S 1 307、S1 308) 、円形土坑プラン数基を検出した。縄文時代の竪穴住居跡3軒、土坑4基、T-pit 3基、現代の竪穴状土坑(室) 1基、柱穴様ピット多数などを、またC-2区では竪穴住居跡3軒、フラスコ状土坑4を検出した。

平成6年度は平成6年5月16日から調査し、縄文時代の遺物を多量に確認した。土坑7基、フラスコ状土坑3墓、フラスコ状土坑1基(S K F 507) の底面から縄文時代後期の壷形土器がl個体出土した。円形あるいは楕円形の竪穴住居跡プラン7、土坑プラン6を検出した。埋土中から下半を欠損する岩偶がl点出土した。フラスコ状土坑では、円筒下層式の深鉢形土器と大木式の深鉢形土器が共伴出土した。ニワトコなど多量の植物穂子とクルミの核、クリなどの堅果類、獣骨が出土した。

平成7年度は平成7年4月20 日から調査開始し、彫刻されたクルミ、漆を塗った木片、植物遺存体、クルミ、クリ、トチノキ、桜皮、木片、多量の種子、獣骨、魚骨、を検出した。ニワトコの純層(厚さ2cm) 数カ所、ドーナツ状の木製品(直径10cm) 1点、切断された木材、自然木、加工材、樹皮、クルミ、クリ、植物種子、獣骨、魚骨、貝などが出土した。 横倒しになっていた大木の下から破断面が新しい漆塗り木製品の破片が出土した。ニワトコ集中土壌から琉泊の玉を1偶発見した。

4年間で検出した縄文時代の遺構は、竪穴住居跡79 軒、土壌墓45 基、フラスコ状土坑171 基、土坑177 基、掘立柱建物跡63 棟、T -P i t 22 茶、土器埋設遺構9基、捨て場5カ所の、計566 遺構と捨て場5カ所であった。彫刻されたクルミは本邦初である。高台付漆塗りは県内初例である。

遺構

遺物

考察

展示

指定

所在地等

参考文献

  1. 秋田県埋蔵文化財センター(1997)『秋田県文化財調査報告書268:池内遺跡』秋田県教育委員会
[縄文時代]

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