2025-05-22
(c)弥生時代
弥生時代の遺構として竪穴住居跡が多数出土した。見晴台遺跡に弥生時代の集落が営まれていたことが証明された。この集落には周囲を囲む濠(環濠)が掘削された。環濠は、弥生時代後期に作られ、断面形状はV字形、幅約4m、深さ約4mである。環濠全体では直径約200m規模である。集落の北半分では二重環濠となっており、その外にさらに3本目、4本目の環濠も見つかっている。
環濠は南北140m、東西150mの範囲に200軒ほどの竪穴住居跡がみつかっている。弥生時代の集落は250年間続いたが、何度も建物を建て替えて使っていた。炉跡、壁際の溝、貯蔵穴など住居内の施設も出土する。180軒以上の竪穴住居跡が発見されている。多くは1辺5mから6mの方形建物である。床には炉の跡がみつかっている。
竪穴住居に大小の差はあるが、特別に大きな竪穴住居や掘立柱建物は見つかっていない。古墳時代になると少数の住居跡になり、大半の人々は他の場所に移転したとみられる。
出土遺物は、弥生土器として、円窓付土器、台付?形土器、甕型土器(第23次調査)、土師器、壺型土器(欠山式)、器台、高坏式土器(山中式)が出土している。ほかに管玉、勾玉、ガラス玉、などの装飾品、磨製石斧、石包丁、石鏃などの実用道具が出土した。外濠には、多量の貝殻が集落の外側(北西側)から廃棄されていた。貝はシジミ属やハマグリの出土が中心である。
遺構
弥生後期
遺物
弥生時代
- 弥生土器
- 弥生土器 高坏
- 円窓付土器
- ミニチュア土器
- 壺
- 炭化物
- 焼土塊
- 銅鐸(飾り耳)
- ヒスイ製勾玉
- ガラス製小玉
- 管玉
- 炭化物
- 土錘
- 石鏃
- 刻みのある軽石
- 小型壺
- 甕
- 高杯
弥生後期
展示施設
指定
考察
アクセス等
- 名称: 見晴台遺跡
- 所在地: 愛知県名古屋市南区見晴町47
- 交通: 東海道線「笠寺駅」、名古屋鉄道名古屋本線「本笠寺駅」駅から東へ徒歩約10分
参考文献
- 名古屋市教育委員会(2021)「見晴台遺跡発掘調査報告書」(第49 ・50 ・51次)
- 名古屋市教育委員会(2021)『見晴台遺跡発掘調査報告書(第49,50,51次)』
- 名古屋市見晴台考古資料館(1997)『見晴台遺跡発掘の現状と課題』
- 名古屋市見晴台考古資料館(2015)『見晴台遺跡ガイドブック 第二版』
- 伊藤厚史(2024)『見晴台遺跡』
- 愛知県史編纂委員会編(2002)『愛知県史資料編1 (考古1(旧石器・縄文))』愛知県
- 名古屋市見晴台考古資料館編(1979)『見晴台遺跡出土品展 図録』名古屋市見晴台考古資料館
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