古津八幡山古墳(ふるつはちまんやまこふん)は新潟県新津市にある古墳時代の円墳である。日本百名墳の一つに選出されている。国指定史跡である。
古墳は戦後の畑利用による段切り、盛り土などによる改変が激しい。葺石や墳丘祭祀は認められない。第一次調査では新潟県内で最大の円墳である可能性が指摘された。 北陸系、東北系、両者折衷の在地系の3系統の土器が出土した。北麓で森田遺跡、舟戸遺跡、塩辛遺跡など古墳時代の集落が見つかっている。各遺跡の内容については不明な点が多いが、遺跡の年代や立地などから古津八幡山古墳の主である豪族の屋敷は舟戸遺跡が有力とされている。
地中レーダー探査で反射領域は2個所あった。1つは建物基礎と見られる。中心部地下には内部施設の反射はなかった。第17次、第18次調査で竪穴住居遺構が11基確認された。第16次調査で外環濠が検出された。墳形は円墳と確認された。規模は約60mとなる。本来の高さは削平されているため、不明である。段築は2段と確認された。葺石埴輪は確認されていない。、古墳の斜面中ほどに幅約4mから5mの平坦面(テラス)が巡ることが判明した。 方形周溝墓は2基発見された。第20 〓25 次調査において鉄製品は2 点出土した。ヤリガンナと鉄鏃である。
方形周溝墓の埋葬施設から出土し炭化物 4点を調べた結果、暦年較正年代(1σ)は、試料Dが 2191 ± 2039cal BC、試料Eが 2131±1980cal BC の間に各々 3 つの範囲で示された。縄文時代後期前葉頃に相当する年代である。試料Fが弥生時代後期頃、試料Gが弥生時代中期頃に相当し(小林 2009)、同じ方形周溝墓に属する異なる埋葬施設間で年代差が認められる。今回測定された試料は観察所見から木炭の可能性が高く、いずれも樹皮が残存せず、本来の最外年輪を確認できないことから、古木効果を考慮する必要がある。
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