勅使塚古墳(ちょくしづかこふん)は富山県富山市に立地する古墳時代の前方後円墳である。
県内最古の大型前方後方墳で、3世紀末の築造とされている。平野との比高約100mの丘陵尾根上にあり、標高130m、羽根丘陵の尾根上に立地する全長66mの前方後方墳である。
富山大学人文学部考古学研究室による精緻な測量調査が行われ,全長70mの前方後方墳であ るとされた(富山大学1990)。墳丘後方部裾は周溝下端で、標高は128,02mである。墳丘は地山を削り出し,標高130.25m付近まで約53度の急勾配で立ち上がる。勅使塚古墳は前方部を北東に向ける前方後方墳である。盛土は前方部の先端のごく僅かな部分と後方部の大部分である。勅使塚古墳は、やや四隅が突出した糸巻き形に近い形態の後方部と、低く撥形に開く前方部をもつ、最古式であり定型化された墳丘形態である。
定型化された前方後円墳が3世紀の富山まで及んでいることは、邪馬台国近畿説でなければ説明できない。九州説では前方後円墳を九州エリア内に限らなければならないことになり、邪馬台国九州説では古式の前方後円墳が3世紀に富山まで及ぶ現象を説明することができないと考える。3世紀末ということは遅くとも290年-299年頃が想定でき、箸墓が250年頃とすると、わずか40年くらいで遠くの富山まで古式の前方後円墳の築造スタイルが及んだことになる。
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