北中島西原遺跡(きたなかしまにしはらいせきき)は熊本県にある旧石器時代を中心とする遺跡である。
北中島西は熊本県東部の山都町にある。九州横断自動車道延岡線建設工事に伴う発掘調査により旧石器時代の石器群が見つかった。平成22年から平成24年度にかけて、熊本県教育委員会が発掘調査を実施した。旧石器時代、縄文時代、弥生時代の遺物が重層的にみつかった。 遺跡の地層は12層からなるが、上から9層目の\a層から約3万年前の姶良カルデラ噴火に伴う火山灰が確認された。石器はその直下の\b層を中心に出土した。当時の生活面と考えられた。旧石器時代文化層は、\− b 層から出土し、出土したナイフ形石器は型式学的に明確な時期差がなく、ほぼ単一と考えられた。 主な検出遺構は旧石器時代の15基の礫群、縄文時代早期の土坑、弥生時代後期から古墳時代初頭と推定される竪穴建物などである。 出土した石器はナイフ形石器、石核、剥片などである。石器は4000点以上出土し、石を集めて火をたいた礫群が検出された。本遺跡にいくつかの文化層が存在する可能性も指摘されている。縄文時代では落とし穴を用いた狩猟が行われていたと裏付ける成果があった。
測定対象試料は、礫群や炭化物集中部等から出土した炭化物22点である。炭化物は、Xb 層、Z層上面、\a 層上面、\b 層上面及び中位面より出土し、いずれも旧石器時代の遺構、遺物が検出された層である。結果は22点中の21点は、後期旧石器時代前半期から後半期に相当する年代値であった。出土層位の上下関係及びテフラとの前後関係に整合的な結果となる。
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