分谷地A遺跡(わけやちえーといせき)は新潟県胎内市にある縄文時代の遺跡である。
胎内川の河岸段丘上の標高100mに配置された縄文時代早期から弥生時代中期にかけての大規模な遺跡である。縄文時代の石器や土器が多数出土した。また住居、墓地、磨石や石皿、尖頭器、石鏃、石錘、土錘、土偶、石棒・土製耳飾り、櫛、糸玉などの装身具が出土した。
縄文時代後期の南三十稲葉式土器とともに四十点の漆器が出土した。漆塗り黒色木製水差しはほぼ関係で出土し、プロポーションが美しい。素漆塗りの木製ランプ形容器で横幅25.7cm、高さ15cmである。朱漆塗り黒色木製水差し(朱漆塗把手付木製容器)は朱漆塗りの木製ランプ形容器で横幅25.5cmである。地下水により酸素が遮断されていたため鮮やかな朱色が残る。朱漆塗りの木製鉢は丸い鉢で、後縁部に三角形の文様が刻まれる。木製容器の中にはニワトコ、マタタビ、クルミなど20種類以上の木の実の種などが入っていた。
八基の弥生時代の再葬墓から15個体分の壷、甕、石器が検出された。再送墓としては北限である。1つの土壙に1つの土器を埋葬する縄文時代の慣習が続いていたとみられる。
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