鳥居松遺跡(とりいまついせき)は静岡県浜松市にある弥生時代の遺跡である。
鳥居松遺跡は浜松市南部の海岸平野に位置する。北方1kmには、伊場遺跡があり、弥生時代の中核集落と考えられている。 古墳時代前期になると伊場遺跡群周辺の集落は急速に衰退する。重なる洪水により集落が放棄されていたようである。家形土器の年代は2世紀を遡るとされ、家形土器としてが最古である。家形土器は切妻式の倉庫であり、柱を細い粘土紐で表現する。床下に高坏の脚がつく。高さ35.5cmである。
第1次調査では弥生時代後期の環濠を伴う集落跡を検出した。第2次調査地点では環濠に相当すると思われる溝を検出した。第3次調査において出土した家形土器は、全国的にみても出土例が少ない家形土器は集落の西側の大畦畔の傍らから、完形の土器とともに出土した。鳥居松遺跡では集落内部に掘立柱建物や土坑墓、その外側に水田があった。 弥生時代の集落や水田、奈良時代から鎌倉時代に流れていた小川が確認されている。 弥生時代後期の根拠的集落家形土器や南関東系土器など希少な遺物が出土した。幅20m、深さ2.5mの自然河川(伊場大溝)から完形の装飾大刀(金銀装円頭大刀)が出土した。
河川跡の底から出土した全長76.5cmの大刀である。柄に朝鮮半島の製品に見られる龍文や連続波頭文が装飾される。精緻な彫刻があり、金銀張りの工芸技術が使われる。金銀装大刀が川底に沈められていたことは、有力者層による特異な儀礼が推定されている。6世紀前半に朝鮮半島で製作された可能性が高いとされた。
『鳥居松遺跡』では集落内の重要な建物を表現したと評される。「水田に伴う祭祀」と書かれるがそのような証拠があるかは不明である。家形土器は平成17年10月19日付で、浜松市の有形文化財(考古資料)に指定された。
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