連続説と選択説のどちらをとっても、九州説、畿内説のどちらにもに決定的な影響を与えないと考える。文献史学では、邪馬台国の位置論について結論は出ないことの証明でもある。使用した原史料が異なるとすれば、帯方郡から邪馬台国までの「1万二千余里」との整合性はないことが予想できる。もっとも、「1万二千余里」自体が「『周礼』の九服説」による観念による数字なので、整合性は重要ではないのであろう(別項「万二千余里の意味」を参照)。
参考文献
- 石原道博編訳(1951)『新訂魏志倭人伝・後漢書倭伝・宋書倭国伝』岩波書店
- 西嶋定生(1994)『邪馬台国と倭国』吉川弘文館
- 近江昌司、置田雅昭他(1992)『卑弥呼の時代』学生社
- 水野祐(1987)『評釈 魏志倭人伝』雄山閣
- 佐伯有精(2000)『魏志倭人伝を読む』吉川弘文館
- 山尾幸夫(1986)『魏志倭人伝』講談社
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