市庭古墳(いちにわこふん)は奈良県奈良市にある古墳時代の前方後円墳である。
平城京の造営時に破壊された。後円部の一部のみが残る。規模の数値はいずれも復元値である。1962年、1963年の調査により前方後円墳と判明した。近世に8世紀の平城天皇陵に比定されたが、5世紀前半の推定年代とは合わない。
昭和55年6月23日から10月18日まで、市庭古墳の周壕の発掘調査が行われた。市庭古墳が二重の周壕をもつこと、奈良時代に苑地に転用されていることが判明した。葺石は南北4.5m、東西5.3mであった。復元長は前方を含めて墳丘全体は250m、前方部幅は約160mとされた。内壕は狭いところで29.5m、深さ4.5mと推定された。埴輪は円筒埴輪III式、蓋形埴輪、ヘラ書きの直弧文が書かれる。外堤上に埴輪がある、蓋形埴輪、家形埴輪、動物埴輪、囲形埴輪あり。両側くびれ部に造出がある。外堤および二重周濠の総長は約400mである。埴輪の年代は5世紀前半とみられる。
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