鳴滝遺跡（なるたきいせき)は、古墳時代の5世紀前半から中頃の大規模な倉庫群の遺跡である。
紀ノ川北岸の和泉山脈の南麓に位置する遺跡である。一辺が7～10mもの大規模掘立柱建物が7棟ある。出土遺物の大半が初期須恵器の大甕であり、物資の貯蔵施設であったと推定される。大和政権における対外交流港の物資の保管庫とする説もある。周囲にこれ以外の建物はないので、保管施設に特化した建物である。
昭和57年、和歌山市善明寺の高台に近畿大学附属和歌山高等学校を建設することになり、これに先だって遺跡の発掘調査を行ったところ、非常に多くの柱跡と思われる遺構が発見された。
整然と配列した掘立柱建物は、いずれも桁行4間、梁行4間の高床式切妻造と推定され、平面積は最大で約80㎡である。 復元された倉庫群の模型は紀伊風土記の丘で見学できる。
柱の抜き取り穴から「楠見式土器」と呼ばれる須恵器の大甕などの破片が投棄された状態で出土した。
古墳時代は大規模な建築を作っており、大規模倉庫の例としては大阪府法円坂遺跡、難波宮跡:（大阪市法円坂）、蛍池東遺跡（豊中市）、南郷遺跡（奈良県御所市）、布留遺跡（奈良県天理市）、茨城県国生本屋敷遺跡がある。その中でも鳴滝遺跡は国内で屈指の規模である。 大規模な倉庫例は『日本書紀』に記された有力首長の紀氏との関係が推定されている（参考文献１）。都出比呂志）2011)は税として集めたものを保管する施設であったと推定している。
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