方格規矩鏡
2025-06-07


方格規矩鏡(ほうかくきくきょう)は、中央の鈕を方形の区画で囲み、その外側にT・L・V字形の文様を敗する銅鏡である。

概要

古代中国の漢代から魏・晋代にかけて流行した銅鏡である。「天円地方」の世界観に基づく図柄である。方格は地(大地)を表し、外形の円形は天空を表す。立体的な天地の構造を表現している。鈕と周縁の間に種々の動物などを配置する。動物として青龍、白虎、朱雀、鳳凰・玄武、亀、蛇がある。四神とよばれるこれらの霊獣は、天の東西南北を代表する星座を表現する。四神などの間を埋めつくす渦状の文様は、宇宙に満ちるエネルギー「気」である。中央の方格に十二支の文字を時計回りに配し、その周囲に四神を配するものがある。 方格規矩四神鏡の、周縁の内側などに鋳出される銘文には、鏡の所有者の世俗的な願望すなわち長生き、大金持ちになる、立身出世できるなどが約束される。

製作年代

中国の前漢時代末から後漢時代、日本では弥生時代にあたる時期に、さかんに作られた銅鏡である。 弥生時代の北部九州の墓あるいは古墳時代前期にも見られる鏡式である。

出土例

[弥生時代]

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